斜め上の科学

表面的にしか伝わりにくい科学のことをわかりやすく丁寧に、、受験勉強についても書きます

細胞から臓器再生へ

今日もまた、日本の再生医療技術の輝きを見ました。

 

国立成育医療開発センター(東京)でES細胞を使って小腸の組織再生に成功したとのことです。

 

先日のiPS細胞での網膜色素変性症の治療といい

最近は臓器再生医療が活発ですね。

 

 

scimnography-xxx.hateblo.jp

 

 

私がこの世界に入ったばかりの頃はまだiPS細胞が発見されて間もない頃でした。

ある時再生医療に興味を持ち、日本再生医療学科という学会に潜入(もちろん参加費は払いましたが)して

ノーベル賞を受賞する前の山中先生や臓器再生医療の権威である東大の中内啓光先生の講演を聞いた時は

まだまだ長い道のりだと言っていました。

 

その頃はマウスの背中に人間の耳をさせ話題になっていた頃です。

もちろんこの耳には軟骨等もあるのですが、移植までは難しい。

 

当時東京大学明治大学が共同で行った研究で

豚の体内で人間の心臓を再生させるというものがありました。

 

先行する研究ではラットの体内でマウスの臓器を

逆にマウスの体内でラットの臓器を作るというのは行わており

これらは成功していました。

 

たしか豚の体内で人間の心臓を作ることも成功していたと思います。

豚は人間とその遺伝子の相同性が高く、非常に似ているとのことだったため

豚が選ばれたのだったと記憶しています。

(違っていたら申し訳ない、うろ覚えです)

 

ですが、その時の学会である方が『どれくらいで臨床応用までもっていけるのか』と質問したところ

答えはかなり難しいとのことでした。

それは、心臓そのものは人間なのですが、心臓と全身とを繋ぐ血管がキメリックな状態になっているからでした。

 

キメラという言葉は聞いたことある人も多いと思います。

ここでいうキメリックとは、豚と人間の血管が混ざった状態をさします。

つまり、このまま人間に心臓を移植すると血管の部分で移植拒絶が起きるのです。

 

移植手術で問題なのがこの拒絶で、通常親族から臓器提供されるか

免疫抑制剤、例えばステロイド剤を服用することで移植時の拒絶が起きにくくしています。臓器再生の場合、もちろん免疫抑制剤の服用となるのでその副作用が出ます。

 

果たしてこのキメリックな状態になる問題は解決できたのか、詳しくは分かりませんが

何かしらの進展はあったとしても安全面等の試験がまだまだ残っています。

 

とは言え細胞から様々な臓器を再生することができるまでに科学技術は進歩しています。

これ以外にも心臓が弱った人に心筋のもとになる細胞を重ね合わせて作った心筋シートを移植する試みや先日書いた記事のように視覚に関する細胞の再生も行われています。

 

次はどんな難病の治療方が開発されるか個人的にはすごく楽しみです。