斜め上の科学

表面的にしか伝わりにくい科学のことをわかりやすく丁寧に、、受験勉強についても書きます

一般大衆へ向けた科学の報道(1)

Yahooニュースに載っていたのでこの内容にしました。

 

STAP細胞

 

私もこの論文は読みました。

 

当時理化学研究所(理研)で研究員をしていた小保方晴子さんをFirst aouthor(筆頭著者)として2014年1月にNature誌に発表された細胞。

 

しかし、世界中から様々な疑惑が浮上し、結果論文の内容は否定され取り下げられた。

その後小保方氏の手記も出版され話題になった。

皆さんもご存知だと思います。

 

その小保方氏が『婦人公論』という雑誌で日記の連載を始めたらしい。

少し興味あるけどな。

 

STAP細胞については論文撤回後も色々なところで再現実験が行われ

いつだったか他の研究チームがSTAP現象の再現に成功したとの報道もあった。

 

でも実はこのチームの報告はSTAP現象そのものを証明したものではなく

『細胞を酸性が高い条件下で処理をすることで終末分化した細胞が多能性を持った表現系を示す』

ことを発表しただけ。

 

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少し説明をすると

終末分化とは、細胞は元になる細胞(幹細胞)があって、ある環境や状況に応じていろいろな細胞に変わっていく。これを分化といい、もうこれ以上違う細胞にならない状態の細胞を終末分化した細胞という。

多能性とは、細かい定義はあるが単に言えば色々な細胞になる(分化する)能力を持っている状態のこと。それはその細胞のどの遺伝子が発現(タンパク質がつくられているか)で判断する。俗に言う幹細胞がこれ。

表現系とは、その細胞の遺伝子発現の特徴くらいに捉えたらいいかな。どの遺伝子のスイッチがONになっているかで分類する。本当は形状やその他の性質も必要だけど。

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研究チームがやったのは、jurkat細胞という細胞株 -不死化された細胞- であり、染色体や核の様子が体の中にある細胞と異なります。しかも酸性の強さはpH3程度とSTAP論文とは違います。

 

それをその論文を読んでいない非専門家が『STAP細胞はあった』と発信したため

世の中に謝った情報が広まったんです。

普通に考えてオレンジジュース程度の酸性の液体に浸しただけで多能性を獲得するなら

我々の体は柑橘系のジュースや酢の入った料理を食べるたびに初期化されてしまいそうだという人もいました。まあそう思うよね。

 

結論としてSTAP細胞及びSTAP現象はないとされていますが

特殊な条件下で終末分化した細胞が多能性を獲得することはあります。

 

だってiPS細胞だってそうだし。

今ではがん細胞を攻撃するキラーT細胞をガン患者から採取しiPS細胞にして増やし

またキラーT細胞にしてから体内に戻す試みを行われています。

それ以外にもiPS細胞を使った治療を進めているのは報道からも知られています。

 

今では万能細胞として周知されているiPS細胞も

本来生体内では起こり得ない状況で細胞を培養することで作り出されました。

 

じゃあSTAP細胞みたいなものもあるのでは?って考えるのが普通かと思います。

ただその方法は分からない。

こう書くと『お前はSTAP細胞あると信じているのか?』

と思われますが、答えとしては

『その考え方はあってもいいんじゃないかな』

ってなります。

 

だってES細胞が樹立されて間もない1980年代にiPS細胞の存在を提唱しても誰も信じないでしょう?

けど、あったら面白い!という純粋な好奇心やそういうものを発見して世の中に貢献したい!という気持ちが回り回って世界的な発見に繋がったんです。

 

だからSTAP現象のようなものがあってもいいとは思うんです。

ただ、証明するなら完璧にしないとね。

科学者の端くれとして、再生医療には興味は尽きません。

 

まだまだ言いたいことはあるけど、それはまた今度で………